「非連続的発想」
混迷の時代をブレークスルーする飛躍的な発想の方法を考える
■関連するキーワード
□カタストロフ
□トポロジーの形態学
□反抗
□反転
□情報加工
□細部の全体性
□錯視・幻視・連想
□原点回帰
二十世紀の価値基準から今、大変換が迫られている。近代は地球のメカニズムを破壊し、人間の生理を狂わせ、人間と地球の調和的な共存を限界に追い込んでいる。今、問われるのは人間の叡知であり、知恵である。この混迷の時代にはこれまでの近代的思考が生み出したパラダイムの延長線上では変換はできない。新しい秩序の発見には現実からの改善や改革では済まされない本質的な改革を必要とする。
このためのいくつかの方法を書いてみよう。それは非連続で、飛躍的な発想を必要としている。以下、九つのポイントを列挙しよう。
1、「反抗」/否定から出発すること、既成概念を捨てて、原点から考える。ノーをいうことからこそ新しいパラダイムが開ける。現実への異議申し立てや現実の否定から出発することで現実との遮断が可能となる。理由無しに否定から出発するのである。
2、「遊戯」/エンターティメントの意味を考える。生活を遊ぶこころ、感動、興奮、眩暈、偶然などを重視して論理的な帰結を避ける。仕事も生活すべてを、遊戯だと考えることが重要である。遊びとはなにかの思索も必要となろう。黒鉄ヒロシはエンターティメントを模倣と競争と目眩と偶然だという。人生も仕事もエンターテイメントと考えることは新しい世界観を出現させる。
3、「愛情」/フェティシズムを考える。すべてが愛情の対象となること、愛することは本質に迫ることを意味しているからである。モノと人の関係をどうつくるかがデザインの基本となるのだが、その関係は愛情だとすると、デザインは知性的な仕事というより感性的な仕事となる。ロゴス〔知性〕よりエロス〔感性〕が大切ということである。
4、「原形」/プロトタイプを探す。これまでの思い込みを捨てて、「発生の原点」から思索すること。原型とはそのモノの発生がどういうモチベーション〔動機〕で起こったか、人がその存在にどのような認識をしたかに始まる。
5、「削除」/負の思想を重視する。創造的であるとは何かを付加することではなく削除することだと知るべきである。既成概念と表現の衣装を脱がせて裸にすることである。永い間にまとわりついた虚飾をはぎ取り、神髄だけを残すのである。
6、「余白」/周縁を考えること。意識するのはモノやコトでなく、モノがつくりあげる空間を考えること、どういう影響があるかを常に考える.目的をモノやコトではなくその周囲に向ける。モノの創作はモノそのものではなく、モノと人との関係の経験をつくることである。モノの周縁とはモノにまつわる生活ということもできる。
7、「欲望」/生命の原点を探ること。人間の生命の力の原点である欲望を重視し、人の欲望を誘導する思想をもつこと。人間はその生命力を人間の発生の原点からもつ不安と不満を動機として駆り立ててきた。すべての行動や創造の動機はこの生命力そのものといえる欲望にある。欲望のデザインこそ創造の出発点である。
8、「主張」/自分の意見を人に伝え会話すること。自己の欲するところに従い意見の提出としてモノやコトを生み出す。常に自己を明確に持つ。ものづくりはユーザーの要求に応えることだと考えがちであるが、それは間違いである.基本は自分の思想を語ること、市場とは供給する企業の思想と購入しようとする顧客のモノを通じての議論であり会話である。
9、「記憶」/自分の中の記憶をたどる。共感のために遺伝子の中の普遍的記憶を考える。人の中の時間、歴史を重視する。文化は記憶の積層だという。自分の幼児からの記憶は個別なのだが、両親の記憶や祖先からの遺伝子に蓄積された記憶などが人類の共通感覚となってデザインの共通言語を形成する。
これらはブレークスルーの手法である。
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