34 螺旋/風と光の塔
過去から未来へ、ここからあそこへ無限につながる輪廻を象徴する。


■ 風と光の塔
構造をトラスに組んで少しずつずらしていくとスパイラルになる。リングが少しずつずれて全体として螺旋を形成する。ガラスのチューブをカ ーブさせてリングをつくり、アルミニュームのパイプのリングと交互に組み合わせて 20メートルの塔を覆っている。2000年を記念するミレニアム・タワーである。空から降りてくるイメージとも空に立ち上るイメージともとれる。夜になると内部ではLEDの、外部からはスポットライトによって照明され、脚部には池があり噴水が吹き上げる。

 人生の輪廻をスパイラルで表現することがある。同じところをぐるぐる回っているように見えて、でも少しずつ変わっている。時間の経過もスパイラルに喩えるとわかりやすい。 春夏秋冬の季節の変化も春は毎年春なのだけれど変わってい く。 DNAは二重螺旋になっていて、長い遺伝子をコンパクトにするにはこのスパイラルが一番いいのだという。
 塔に設ける回り階段はスパイラルである。ガウディの設計であるサグラダ・ファミリアも塔へ登る階段は、窓からの風景がどんどん変わっていって、その変化する街並みを見ながら感動的だったのを思い出す。スパイラルは塔でも季節でも人生でも繰り返しながら変化するところがいい。
 幾何学的な、数学的な法則を持つ形には興味深いものが数多くあるがスパイラルとドーナッツと円錐形はとりわけ興味深い。単純な形なのにスパイラルと円錐形は無限の大きさを持っていて終わりがない。どこまでも続く形である。特に円錐形は先端から反対側に虚の円錐形が広がっていて、しかも円錐形の断面は円か楕円か放物線になるというふうに多様な意味を隠している。
 ドーナッツの面白さは空間が二重であることである。ドーナッツはそれ自体に内部空間があって、リング状につながっている。ドーナッツという形はそれ自身がまたその内側に空間を抱えている。ドーナッツのリング状の一部分を切断してもう一つの切断したドーナッツとつないで、それを次々と続けて行けばスパイラルになる。
 スパイラルのもう一つの面白さは時間をイメージできる点である。過去から未来への時間はスパイラルに象徴されている。スパイラルの形はまたスプリングのように伸び縮みする形をしている。縮んで密集していけばパイプのようになり、伸びていけば一本の線になる。不思議な形である。→top


□ DNAのイラスト

□ ドーナッツと螺旋の関係
ドーナッツを切断して上部と下部のもう一つのドーナッツとつないでいくと螺旋になる。螺旋はドーナッツと同じ性質を持っており、その上に時間軸でもあり、或いは上下の位置の位相を持っていると言うことができる。
□ 円錐形
円錐形はその断面が位置によってさまざまである。大小の円、いろいろな楕円、さまざまな放物線である。


■関連するキーワークス

□照明器具「風」


□階段システム

□スパイラル・ビル

□スパイラル・グラス