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【ライト/デプス】1993、1995

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【オーバーザレインボウ】1994

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【ワールドシステム】1995

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【ポストペット】1996-2001

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デジタルハリウッドでの授業で自ら制作した映像装置(右奥)

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【OPENSKY】の設置風景(愛・地球博会場にて)

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ガンダム展で発表される新作【サイコ・コミュニケータ・システム】

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【ガンダム展】

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携わった製品やデザイン、ポスター、作品などが並ぶ棚のまえで。八谷さん、ありがとうございました。


【目に見えない世界】
-メディア・アーティスト 八谷和彦氏-
ミウラアヤ


歩くオモチャ箱。
「あったら楽しい」ものがいっぱいつまっている。八谷和彦氏はそういう人だ。

【マーケティング、デザイン、アート】
現在、愛・地球博グローバルハウスのオレンジホールにて、八谷和彦氏の作品「オープンスカイ」が展示中のため、ご覧になった方も多いだろう。全幅10m、全長2m、重量およそ48kgというその物体は、アニメの主人公である少女と共に何度も登場していた"乗り物"が現実のものになりつつあること、を体言するものだ。
「こういうのを作る人がいてもいいと思うんですよ」
と云う彼の笑顔には、アーティストの輝きがある。
「でも、そこに需要はあると思ってやってますけどね」
とすかさず付け足した。
多くの作品に共通して云えることだが、八谷氏は「量産しない商品」「量産品では実現できないプロダクツ」を創造する。商品開発の仕事を手伝っていた時期に身に付いたというマーケティングの視点は、作品を"いかに既存のものから遠ざけるか"に着地する。商品に近い展開でありながらも、価格競争に落とし込まれることのない"価値"を生み出すデザイナーの視点。そして、「こういうのを作る大人が一人くらいいてもいい」とのアーティスト視点が加わり、八谷和彦氏の作品は私たちの前に出現する。

【デザイントープ小劇場ム「オープンスカイ」編ム】
この秋、テスト飛行を予定している「オープンスカイ」は、実際にパイロットが乗って楽しめることを前提に構想された作品である。
乗りたい。私も乗って、飛んでみたい。主人公と同じ「青き衣を纏いて金色の野に降り立」ってみたい。私と同世代にそういう反応が多いと訊いたが、うなずける。あの"空飛ぶ白い物体"を作ってくれる人が現れるなどと、いったい誰が想像しただろうか。
ミウラ(以下「ミ」)「私もテスト飛行で乗りたいです」
八谷氏(以下「八」)「いや、テスト飛行って誰でも乗れるものではないんです。"安全であること"を確かめるためのテストですから、パイロットには十分な技量が要求されますし。僕は制作者として乗ることもありますが、基本的にはハンググライダーの腕がある人じゃないと」
ミ「どうやって飛ぶんですか?」
八「バンジー発航というんですが、ゴムの力でひっぱる方法です。最初はエンジンではありません」
ミ「そうですか・・・。あ、じゃあテスト飛行のときに立ち会いたいので日程が決まったら」
八「あ、いえ、すみません。テスト飛行のための条件がけっこう厳しいので、約束できるものじゃないんです。基本的に非公開でやります」
ミ「どういう条件なんですか?」
八「無風の状態ですね。なるべく早朝のほうが条件がいいんです。朝5時開始、とか」
ミ「無風ですか」
八「はい。そうですね、このくらい(の風)だと(風速)3mくらいなんですけど」
ミ「え、風速を体感で計れるんですか!?」
八「ええ。4mくらいまでならわかるんですけどね・・・それより強くなると1m単位で違いを感じるのは難しいです。とにかく、限りなくゼロに近い、最大でも風速1~2mまでという条件が最初は必要ですね。ただ完全な無風状態が何分もつづくことはないので、あとはやや風があっても、風向きの問題になります。向かい風大丈夫なんですが。なので、どっちから風が吹いてもすぐに方向をかえて、風速だけに集中できる広さ(テスト飛行の土地)も必要ですね」
ミ「・・・飛んだら教えて下さいね」
八「はい」
ミ「えー、では(気を取り直して)。「ライト/デプス」、「オーバーザレインボウ」、「オープンスカイ」と無重力が共通する3作品、次に作ってみたいものは何でしょう?」
八「・・・ロケットかな」
ミ「ロケット? ですか」
八「うん、次は最小サイズのロケットかな。100gの物体を衛星軌道に打ち上げるロケット。費用はかかると思うけど、なんとか作れると思うんですよ」
ミ「あの・・・ロケットって大気圏を抜けるのに燃えてしまうから、かなり大きな機体に」
八「ミウラさん、それは根本から間違った理解です。ロケットは・・・」
そのあと、八谷氏による"宇宙船の構造"についての集中講義となった。なんて贅沢な。

註)この「デザイントープ小劇場」は、八谷氏の説明とインタビュアーの反応を会話調につなぎあわせたものですが、描かれている事象やデータは全て事実に基づきます。

【イメージを実現する】
彼の作品は、夢のようだ。普段は目に見えない夢。しかし、いつかそれは実物となって現れる。
そのどれもが夢ではなく、実現するだけの科学の裏付けがあり、実現のための技術チームを自ら構築する能力を八谷氏自身が持ちあわせている。ただし、そうした作品を「無理に営業する」ことはないのだと云う。もちろん、「ポストペット」のように最初から販売することを前提にしていた場合もある。
しかし、多くの作品は商品化を前提にはしていない。「デザイナーとアーティストの中間のやり方をで商品と作品の中間の物作りをやっているから、無理に商品に近づけると、自分がやる意味がなくなる」のだそうだ。
「こんなのがあったら楽しい」という彼の情熱に技術が伴い、私たちの夢を刺激してくれる。「量産ではない価値」に突き動かされ、共感する企業や人々が存在すること、それこそが八谷氏の「そこに需要はあると思う」所以のひとつであろう。
彼の話を訊いていると、どんな夢も今すぐにでも実現しそうな気がする。冷静な口調と驚くほどのアイディアやプランとが相まって、彼の作ったロケットが、群青の空を抜けて地球から飛び立っていく様が、あのとき私の頭のなかでも、はっきりとイメージできていた。自らの夢と言葉と明確なプランを持つこと。それがイメージの実現には必要なのだ。
八谷氏の関心のひとつに、「目に見えないもの、Invisibleなもの」がある。
それは視覚的には存在しなくとも、状態や概念であったり、人々の心や記憶のなか、そして時代を経て脈々と受け継がれている精神的な面も含みながら、作品に投影されていく。そんな彼が見つめる「Invisible」な世界とは、私たち一人ひとりが抱く夢と、夢の実現の先にある「夢が現実になった」という目には見えない喜びに、通じているのかもしれない。

【ガンダム展と新作「サイコ・コミュニケータ・システム」】
最後に、今後の予定を伺ってみると、7月15日(金)〜8月31日(水)まで、サントリーミュージアム[天保山]で開催される【ガンダム展】にも、NTTコミュニケーション科学基礎研究所の科学者とともに「ニュータイプテクノロジー ラボ(フラナガン機関内)」として参加予定とのこと。作品は、新作の「サイコ・コミュニケータ・システム」。ガンダムではおなじみの、「サイコミュ」の開発前史でのニュータイプ適性試験を会場で実現するらしい。ESPカードを使っての1次審査もあるそうだが、ペアでの参加となるので、ぜひトライしてみては・・・。あなたが、テレパシーを使える日も夢ではない?!

▼ 八谷和彦氏プロフィール:
メディアアーティスト。
佐賀市出身。1966年4月18日(発明の日)生まれ。
九州芸術工科大学(現 九州大学 芸術工学部)・画像設計学科卒業。
個人TV放送局ユニット「SMTV」や、コンサルティング会社勤務を経て、現在に至る。
「視聴覚交換マシン」や「見ることは信じること」、「ポストペット」などの特殊コミュニケーションツールシリーズ、ブランコをインターフェイスにした抽象CG作成マシン「オーヴァーザレインボウ」やジェットエンジン付きスケートボード「エアボード」シリーズなど、作品は藤子・F・不二雄的な発明型装置が多い。
メールソフト「ポストペット」の開発者でもあり、ポストペット関連のソフトウェア開発とディレクションを行う会社「ペットワークス」の代表でもある。
八谷和彦氏出演イベント、展覧会情報
▼ 作品【OPEN SKY】
【ガンダム展】
【愛・地球博】






   
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