DESIGN TODAY
世界の最新デザイン事情

うららン放浪記、vol.1 北京その1 
浦崎篤子

2008/01/16
今年オリンピックが開催される中国・北京。世界中から多くの人が訪れるとあって急激に都市化が進んでいる。
私が訪れたのは一昨年前の春、ひとり旅を試みたその最初の訪問都市が北京だった。私が見たもの、それは激変のほんの一片だったのかもしれない。
私の初北京訪問は情報収集不足による波乱の幕開けとなった。。
学校で習った漢字と字体が違っていて地下鉄の行き先がわからない、ヒトの多さと熱気に目眩がする、いつまでたっても横断歩道が渡れない、などと半ベソかいて宿泊先を探して歩く。そのとき道端に腰掛けているおばあさんと目が合った。この世の終わりと言わんばかりの私の顔は相当引きつっていたはずなのに、そのおばあさんはニッコリと優しい笑顔を返してくれた。あ、北京は大丈夫かもしれない、と思った。
それからは何の根拠もない安心感を抱いて市内を無計画のままうろついた。ユースホステルの相部屋の子にまんじゅうと豆乳が美味しい店を教わり、北京駐在の知人を訪ねるなどして少しずつ情報収集していった。
それにしても喉がヒリヒリする。これは大気汚染のせい?マラソンランナーに同情する。




北京市郊外北東部、大山子芸術区にあるギャラリー郡でアートフェスタがあるから行こうと誘われた。
最近よくメディアに登場する、旧国営工場を改修してできたコンテンポラリーアートギャラリー。当時の面影が残る壁に描かれた「毛主席万歳」の文字とそこに展示されている現代アートとのギャップに時代の変化が感じられる。
北京では様々な新旧混在を垣間見ることができる。
外資系企業が建並ぶエリアと北京人の住むエリアは明らかに別世界だ。さらなる建設ラッシュの傍ら、古き良き街並を残したいという想い。経済急成長の波に人々はどう感じているのだろう。
人・環境・モノ、すべては遅かれ速かれ必ず変化する。それは嬉しいことであったり寂しいことであったりする。これでいいのか、これがいいのか、新旧が目覚ましく交差するこの地では、ついそんなことを考えてしまうのである。あのときのニッコリおばあさんの印象をいつまでも大事にしたいと思うのである。





【展示会情報】
ただいまギャラリー・間にて「REALIZE 立脚中国展開世界 迫 慶一郎/松原 弘典」が開催中。賛否渦巻く中国的状況の中でも自らを主張する30代の若い建築家ふたりの設計活動をビジュアライズしながら、変わり続ける現代中国の街、人々をも浮き彫りにします。

会期:開催中〜2008年2月23日(土)11:00 – 18:00 (金曜のみ19:00まで)
   日曜・月曜・祝日休館
会場:ギャラリー・間
東京都港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3階
TEL: 03-3402-1010
URL: http://www.toto.co.jp/gallerma/