SALONE NEWS in Milan

Salone News in Milan Vol.5
参/MILE

2008/05/29
音響エンジニア、ソフトウェアエンジニア、インテリアデザイナーといったそれぞれの専門性を活かし活動を行っているデザインプロジェクト「参/MILE」。今回のミラノサローネ・サテリテにおいて新作を発表した。メンバーである甲斐健太郎さんにレポートをいただいた。

私達MILEは4月16日〜21日の6日間、ミラノサローネ・サテリテにて新作の発表を行いました。ここでは私達のサテリテでの展示についてレポートしたいと思います。
まずは私達が今回発表した作品を紹介します。


「good aftermoon」

「crossing ribbon」

「vertical rainbow」
Photo: Takumi Ota
1:「good aftermoon」
光の筋が時刻を表示する壁掛け時計です。光の変化によって時の移ろいを知る、その自然の中では当たり前の事象を時計で表現するために、長期間の光学的な試行錯誤を経てやっと実現することができました。

2:「crossing ribbon」
椅子の構造を、「折る」「重ねる」「交える」といった私達の文化に根付いた行為に基づきデザインしました。実サイズのモデルによる微調整を重ねて決定された角度で構成された造形により、直線的でありつつも立体的で優しい包容力を持った椅子となりました。

3:「vertical rainbow」
シェードに光の帯が浮かび上がるフロアランプです。全方位を照らしつつも、私達が視認できるのは常に垂直に伸びる一筋の光のみ。会場では立ち寄った方々がさまざまな角度から不思議そうに眺める姿が多く見られました。


今回のコレクションを作り出すにあたって私達は「Δt - an emotional moment -」というテーマを設定しました。この「Δt」とは「ほんの小さな一瞬」を意味しています。まばたきをする間のような極少の時間の中で起こる変化やそのベクトルに目を向け、それらを等身大まで引き伸ばす。このような前提を持って今回の3点のデザインを行いました。もちろんそれぞれの作品はカテゴリも形状も異なるものではありますが、どれも「時間軸」がキーとなっています。

初めてのサテリテ出展ということで直前までバタバタと慌しく準備に追われましたが、多くの職人さんやメーカーさんのご協力のおかげで、現地では想像以上に沢山の方々から高い評価を頂きました。また今後に繋がるお話も少なからずあり、まさにこれからが本番といった感じです。
どうしても日本からの出展はコスト面で割高になってしまうことは否めませんが、それを投資として捉えられるだけに充分な要素を持っているイベントだと実感しました。

参/MILE : 甲斐健太郎


■Profile
参/MILE
1999年筑波大学在学中、松尾伴大(音響エンジニア)、甲斐健太郎(ソフトウェアエンジニア)、下山幸三(インテリアデザイナー)の3名によりデザインプロジェクト参/mile結成。2000〜2003年同校卒業後、各自がそれぞれの分野で活動しつつ、プロジェクトを継続。2008年、参/MILEに改名し本格始動。参人よれば文殊の知恵。それぞれの専門性を活かしてデザイン活動の場を広げていく。ユーモアのあるストーリーで、人・モノ・空間を心地よく結ぶデザインを行う。輪島塗スピーカ「Something to Touch」にて、グッドデザイン賞受賞(2006)他
URL: http://mileproject.jp/