中産階級

2008/10/23
今度の旅でちょっと中国のことについて思い違いをしていたことに気付いた。
浦東(PU-TONG)地区で中国ファッションフォーラムがあったのでホテルもレストランもその辺りの施設だったのだが、この浦東というのが実に広い。
超高層の林立する新開地なのだがその奥に広大な地域が広がっていて、続々とホテルや会議場や大型展示場ができている。その一角でフォーラムなどのイベントがあったのである。

レストランの地元のお客達

深川、上海、北京にオフィス
をもつファッションオフィス
近所のレストランに連れて行かれた。上海の街の中にもあって有名なのだそうだがここは実にださい。客も顔立ちから動作まで田舎の人たち。働いている人もまさに何の教育も受けていない田舎の人たち。
いやいや、決して蔑視しているのではないけれど、料理のテーブルへの置き方から普通じゃない。立っている従業員もぼんやりしていて何かが違う。
一緒にいた張さんがこう言い出した。
こういうホテルや近代的なビルをつくるのは街の中では低所得階級の教育されていない人たちの住むところだし郊外では田んぼだ。開発する時の条件は新設した建物で働く人々の50%(この数ははっきりしない)とかはその土地の人を雇わなくてはならない。そうするとどうしても従業員は元農民だったりする。お客も住居を追い出されて突然お金を手に入れた農民ということになる。
どんなに企業が教育をしようとしても客も従業員も農民ではオシャレなレストランをつくってもどうしても地元のイメージに引き戻される。

日本では人工の95%以上が中産階級だった。飛び抜けたお金持ちもいなければ貧乏人もいなかった。しかし、中国では14億人の人口のうち精々3億人程度しか中産階級はいないという。お金持ちは数千人。後は人扱いされていなかった下層階級ということになる。3億人は多そうだけれど人口の20%にすぎない。
どんどん建設される建築やどんどん増える自動車のオーナーは中産階級が客とは言えない。建築や都市と人間の間に大きなギャップが出来ているのである。
どうしても我々は95%の中産階級の社会から見てしまうから間違ってしまう。
電車にのると携帯電話で大声で話し、子供は通路を走り、電車の中で働く女性あっちが空いた椅子にたむろして大声で話している。信じられない公共施設での振る舞いに、なんて中国は作法もなにも教育されていないのだとすっかり悲しくなるのだが、実は教育を受けていない70%の人々が、普通の人たちで中産階級ではないのだ。それが近代化された上海の都市の住民になっている。僕の付き合っている社会は20%の中産階級たちだから普通にすごしていると東京と変わらないのだが外は全く違っていたのである。道路のあの混乱も電車の中の狼藉も全部が理解できてきた。これから少しずつ20%の人たちが30%になり、50%になり、80%になっていくとき、やっと住みやすくなるのだろう。気長に中国の成長を見守ることになる。
(2008,10,22)