宇宙船、地球号

2009/06/30
「エコ」という単語が流行っている。どうして日本は、失語症のように流行るとそればかりになるのだろう。大切なことには変わらないのだが、「エコ」という単語は、まるで何にでも効くおまじないみたいだ。
 そもそも、環境問題は人口問題と密接に関係している。地球という船に定員を超えて人が乗っていることが、事の始まりなのだ。100人乗りの船に500人乗ってしまっているようなものなのだ。100人分のトイレの便槽からは、500人の便は溢れてしまう。せっかくの浄化装置だってその機能が果たせない。食料は不足するし、船室のそこここは清掃しても、後から後からから汚される。げろを吐く人だって出てくるし、過密な環境では喧嘩だって始まる。
 一人が風邪をひけば、直ちに全員にウィルスが蔓延する。「世界は終わりだ・・・」と、誰かが信じ始めると、その噂は船中を駆けめぐって、株価もなにも不信感が一杯になって暴落する。地球環境はそんな状態である。
▲ 地球、こう見るとまだまだ美しい。
    (写真はインターネットから)
 中国の一人っ子政策があっても、人口は増え続けている。貧乏な国こそ、子だくさんだから、教育も行き届かないし、環境への意識も生まれない。地球は、毎日毎日、破綻状態に追い込まれている。環境問題の根源から考えないで、「エコ」だけでは、全身が寒くなる。
 もうじき東京駅に着く。長野での講演の後の質問から新幹線の車中で、こんなふうにメモ書きを始めた。
 ちなみに、「宇宙船、地球号」は、バックミンスター・フラーの命名である。類い稀な天才だった。

(2009, 6,19)